
SOSAKUBAGと染組 - せんそ
これからSOSAKUBAGのことを、
染組(せんそ)と呼んでみようと思います。
今日はその理由について綴ろうと思います。
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夏頃から、染色をしていないバッグを作ることをやめた。
真っ白のバッグはさわやかで他の樹皮にない特徴があり、洋服にも合いやすくて素敵。それはわかっているのだけれど、僕の作る意味が乏しいのだ。
昔作っていたけれど、
今は自分の手を離れているものという気がする。
益子の友達の陶芸家が、今はモノトーンの器を作っているけれど、昔はややカラフルな皿を作っていた。
これはこれで人気だったんだけどね、と言いながら、もう数年は一切柄物を作っていないし、昔のものを求められてももう作らないのだろう。それと同じ感じなのかもしれない。
僕のバッグの起点は染めにある。
ただ素材を組むことで生まれるものと、根本的にちがう。
だから編組(へんそ)という言葉では物足りない。
そのことをみんなにうまく伝えることができず、僕の中でも、それはなんなのかと説明できないものを抱えていた。
昨日の夜、子どもを寝かしつけて布団をかけたときに、ふと思いついたのが染組(せんそ)という言葉だった。
染めることとバッグを作ること、そしてことばを添えることが一体化していて、まさにこういう感じだよなあと思った。
編組(へんそ)と母音が同じなので、対をなす感じで語感も気持ちがいい。コピーライター的な自分がワクワクしている。
染組を調べてみたけれど、染めと組みを合わせて組紐界隈で使っている人はいても、染組(せんそ)という言葉はまだ存在しなかった。
いそいそとFUUROに相談し、いいんじゃないということだったので、ひとまず名乗ってみることにした。
SOSAKUBAGはSOSAKUBAGなのだけれど
SOSAKUBAGのジャンルはなにか?という問いが生まれたとき、この言葉を思い出してくれると嬉しいです。
ちなみに、染めを一切しないバッグは、
金輪際作らないというわけじゃない。
今回、一つだけ取っ手を除き染色なしの茶系バッグが出た。
それは茶色が通常よりもものすごく濃くって、やや緑がかっており、これは染めであると判断したからだ。
僕の力を借りず自然が染めた色もまた、染組に値すると思う。ただ、そんなバッグは一年に一個出るか出ないかだ。
白のバッグも、特注では受けつけようかなと思っている。
あくまで、最初に手に取ってもらうSOSAKUBAGは、染組であってほしいという気持ちだ。
通常は並ばないけれど、2個目3個目のバッグとしてどうしても白がいいという人たちのために、その門扉は開いておこうと思う。